お隣の方に感謝。育児は一人でするものじゃなかった。

結婚して、主人の転勤で妊娠中に地元を離れることになりました。

転居した先は一軒家。

小さな家でしたが赤ちゃんをお迎えするのには十分で、まさに幸せいっぱいの毎日でした。

 

妊娠中はご近所の方にも親切にしていただき、

徒歩1分のスーパーではレジの方がサッカー台までカゴを運んでくれるんです。

お年寄りが多い町なので、親切が身に付いている、という印象でした。

 

臨月に入り、一時は実家に戻ったのですが、そう長くいるわけにもいかず、そこそこで帰ってきました。

実家にいた時は母があれこれ身の回りの事もしてくれていたのですが、

自宅では主人の帰りも遅いためそうもいきません。

主人も家事や育児には協力的でしたが、正直かゆいところに手が届かないかんじ。

子供の夜泣きがひどくなり、眠れない日々が続くようになりました。

 

主人が休みの日、「子供は見てるからちょっと寝たら」と言ってくれました。

そして朝からベッドに入りなおして少しだけ眠ろうと思っていた時、また子供が泣き始めたんです。

 

「ああ!もう、うるさい!!だまって!」

自分でも驚くくらい大きな声が出ていました。

主人があわてて子供をあやして泣き止ませましたが、もう私のストレスはピーク。

子供と一緒に私が泣いていました。

どうしてこの子寝てくれないんだろう。

何が気に入らないんだろう。

私こんなに頑張ってるのに!

心の中はそんな気持ちでいっぱいでした。

 

主人もどうしていいかわからず、その場はおろおろしていたと思います。

しばらくして、玄関のチャイムが鳴りました。

こんな時に誰だろうと思っていたらお隣のおばさんでした。

子供がうるさいから文句言いに来たのかな。

それとも私が怒鳴ったから児童相談所でも呼ばれるのかしら。

不思議なくらいネガティブな考えが次々と沸いて来ました。

 

するとお隣のおばさんは「これね、今日のおかず作りすぎちゃって。

小さい子がいたら外食も難しいでしょ?ちょっとだけど食べてね」と言って、タッパーを渡されました。

中には何種類ものおかず。

好みがわからないから、といろいろ詰めてくれたのがわかりました。

 

翌日、タッパーを洗ってお返しに行ったときのことでした。

ちょうどおばさんはお留守で、おじさんが「ああ、はい」とタッパーを受け取ってくれました。

おばさんにお礼を言わなくちゃ、と思っていたら、おばさんの方から来てくれました。

 

「ごめんなさいね、うちの主人ぶっきらぼうでしょ。タッパーわざわざ洗ってくれてありがとうね」

お礼を言わなくちゃいけないのはこっちの方なのに。

私がなかなかお礼を言えずにいると、また子供が泣き始めました。

 

「あらあら元気ね~。抱っこさせてもらってもいい?」

おばさんは嬉しそうに子供を抱き上げてくれました。

「元気ね~。よしよし」

大声で泣く子を嬉しそうにあやしてくれます。

 

「可愛いね~。一番可愛い時よね~。うんうん、おばちゃん家くる?ぶっきらぼうなおじさんがいるのよ~」

どういう流れか、子どもと私と二人でお隣へ。

「ほらお父さん、可愛いでしょ~。孫がいたらこんなかんじよね~」

おばさんはおじさんにおもむろに子供を預けました。

 

ぶっきらぼうなおじさんが、真剣な顔で子供を抱いてくれました。

「おう、泣くな泣くな」

おじさんがあやしてくれている時、おばさんが言いました。

 

「うちね、主人はもう引退してすることなくて暇なのよ!

図々しいお願いなんだけど、ボケ防止に時々赤ちゃんの世話させてやってくれない?

昼間の一時間とか、都合のいい時に。

どうせ毎日家でテレビ見てるだけだからいつでもいるし」

おばさんの提案に、なんだか緊張の糸が一気に切れてしまって、気づいたら涙が出ていました。

 

たぶん、この頃の私は泣き止まない子供のことしか頭になかったんでしょう。

子供と自分しかいなかった世界に、本当は主人がいたこと。

こんなに親切にしてくださるお隣さんがいたことに気づいたとき、泣かずにはいられませんでした。

 

私の場合は、たまたまいいお隣さんがいてくれたのが救いだったんだと思います。

今では主人にも、お隣さんにも、そして子供にも本当に心の底から感謝しています。

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